留置場とはどんな所かをお話しします。釈放後に、人から何度も聞かれたのは、「留置場の
食事はどんなものだったか?」という質問ですが、私が留置された川端署では、朝食はパン
2つに牛乳、昼食・夕食は仕出し弁当でした。値段にすれば400〜500円程度のものでしょう
か。焼いた鮭などが入っている普通のものです。(それでも、私のふだんの食生活からすれば
上等なものでしたが。) あと、いつでも「お茶ください」と看守に言えば、すぐに運んできてくれ
るので、その点ではなかなか快適でありました。
 留置場では新聞も読めます。ただしサンケイ新聞です。差し障りのある記事は、あらかじめ
切り取ってあるのですが、新聞の薄い表面だけが切り取ってあって、裏面の記事はちゃんと
読めるようになっています。どうやってこんなに薄く切り取れるのかはいまだに謎です。何か
専用のカミソリ状の器具があるのでしょうか。ボールペンや紙は願い出れば支給されるので
書き物なども可能ですが、留置場の蔵書の中になぜか見沢知廉の『天皇ごっこ』があったの
で、私はずっとそれを読んでおりました。
 起床は6時、就寝は9時と決められています。独房の形は看守台を中心とした扇型になって
いて、まさにフーコーが論じたパノプティコン(=一望監視施設)と同じ形をしていました。広さ
は3畳程度でしょうか。起床して一斉に歯をみがき、布団を片付けると朝食、その後8時に体
操の時間があります。といっても川端署ではこれは単にタバコを吸う時間で、看守に付き添わ
れながら2本まで吸うことができます。逮捕された時に所持金があれば、留置所内で好きな銘
柄のタバコを購入することもできます。ちなみに、取調べの最中はいつでもタバコを吸えます
が、房に帰るともう吸うことができません。釈放された時に、「『自由』とは好きな時にタバコを
吸えるということだ」という真理を実感いたしました。
 留置場では名前ではなく、つねに番号で呼ばれます。私は「47番」と呼ばれていましたが、
こう呼ばれて独房から出る際には、必ず手錠と腰縄を付けさせられます。手錠は銀ではなく
黒色です。昼間の間はずっと取調べですが、日本弁護士連合会では「当番弁護士制度」とい
うのを設けていて、初回のみは無料で接見を受けられます。いきなり留置場へ叩きこまれて
気が動転している人間にとっては、むしろ重要な「カウンセリング」の機能を果たしているよう
に思います。私もこれでだいぶ気が落ち着きました。接見して頂いた弁護士さんには、この
場を借りて、改めて厚く御礼を申し上げます。
 さて、留置場では独居房でしたので、残念ながら他の被疑者の方々の様子はよく分からな
かったのですが、検察庁に身柄を送致されてから、検事の取調べを待つ間の待合室で、多く
の悪漢の方たちと直に触れ合うことができました。さすがにベテランのヤクザ関係の方が多
いらしく、「どこそこの刑務所は最近厳しくなった」「どこそこの刑務所長は転勤になったらしい」
などとしきりに情報交換をなさっているのが印象的でした。私は逮捕された時、ド派手な色柄
シャツを着ていたこともあり、なんだかひとりだけ場違いな感じがして気後れしていましたが、
それでも勇気を出して隣にいる人に話しかけてみました。
 右隣の方は、さえない中年といった風体で、「拾ったクレジットカードを使おうとしてバレてし
まい逮捕されてしまった」と力なく話していました。この方には、刑務所や労役場での作業に
ついて詳しく教えて頂き、たいへん勉強になりました。左隣の方は、まだ20代の若者で、広
域窃盗グループの一員ということでしたが、こちらは「今度は3年は喰らうかなあ」などと終始
快活に話していました。
 刑事訴訟法では、逮捕されると警察は48時間以内にその身柄を検察に送致しなければな
らず、これを通称「ヨンパチ」と呼んでいるようです。その後、裁判所に勾留請求が通ると最大
20日間の勾留が可能になりますが、私はヨンパチの段階で略式命令によって有罪となり、釈
放されたので、結局2日間しかブタ箱を体験することができませんでした。20日もあれば、も
っと余裕を持って留置場ライフを楽しむことができたかもしれないと思うと、今では何だか残念
というか、多少は心残りのような気もするのであります。 
 河内音頭ビラ貼り裁判
これがブタ箱だ!
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