第3回公判で実施されたS警官の
証人尋問のうち、被告人自身が行
った反対尋問の部分を掲載します。
傍聴席からヤジなども飛んで、なか
なか盛り上がりました。初めてする
尋問ということもあり、今読み返す
と冷や汗ものですが、内容としては
なかなか面白いと思います。終わ
り近く、再主尋問の際に検察官が
誘導尋問しまくりでフォローしてい
るのが笑えます。
(※ 誘導尋問は、反対尋問では許
されているが、主尋問では基本的
に禁じられている。→刑事訴訟規
則第199条)
被 告 人
   証人は、昭和46年からずっと警察官でいらっし
   ゃるわけですが、そうすると、32年ぐらいずっと
   警察官をやってらしたわけですか。
        そうです。
   その間、屋外広告物条例違反で検挙したことは
   ありますか。
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        あります。
   何回くらいありますか。
        1回です。
   1回だけですか。
        はい。
   それは、何年前ですか。
        川端署時代。去年やと思います。
   去年ですか。
        はい。
   そうすると、30年間で去年1回だけ検挙したということですか。
        そうです。
   それは、どういう内容のビラでしたか。
        ラブホテルの案内のビラでした。
   つまり、営利のビラということですよね。
        そうなるんですかね。
   そうすると、その前回の1年前のこともあったので、今回見付けたときに、
   これは屋外広告物条例違反であるということはすぐに分かったわけですね。
        分かります。
   その場合、ビラが営利であるか非営利であるかということとかは気になりま
   せんでしたか。
        それは特に気にはしてません。ただ、悪質だという認識はありますけ
        どね。ピンクビラとか、そういうのは悪質だなというふうな認識はあ
        りますけどね。
   そうすると、今回僕がはったビラは悪質だと思いましたか。
        悪質ではないけど、違反は違反ですから。
   それで、検挙したということですか。
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        そうです。
   違反は違反だということをもうちょっと聞きたいんですが、それは、要する
   に、少しでも違反に該当したら違反になるということですか。
検 察 官
   異議です。議論にわたる質問ですので。
裁 判 官
   事実の質問、その質問に対する答えという形の問答形式でやってください。
被 告 人
   つまり、あなたが最初に今回ビラはりを現認したわけですよね。
        はい。
   それを、例えば、わざわざ検挙して処罰するというか、起訴するとか、要す
   るに、犯罪の手続にのせなきゃいけないというふうにお思いになったわけで
   すね。
        だから、それは、現場でも何回も話したように、任意捜査に応じてく
        ださいと言うたでしょう。それを応じなかったんでしょう、あんたは。
   僕は、だから、東一条交番だったらいいと言ったじゃないですか。
        だから、そのときに応じてくれれば、また状況は変わっとったかもし
        れんですわなあ。
   つまり、僕の返答次第で状況は変わったかもしれないということですか。
        おたくさんの態度次第でしょう。最初から任捜に全然協力する態度
        じゃなかったでしょう。
   ということは、僕が協力するか協力しないかによって、その後の結果に変化
   があったとおっしゃるわけですか。
        それもありますわなあ。
   要するに、犯罪というのがあったときに、例えば、今回、ビラを1枚はった
   わけですよね。
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        はい。
   それで、悪質であるか悪質でないかで検挙の判断をするわけですよね。
        はい。
   それで、悪質ではないけれども、態度が悪かった、つまり、反抗的だったか
   ら、やむなく検挙することになったということですか。
        要するに、協力しないということは、逃走のおそれもあるわけでしょ
        う。任捜に応じないということは。
   いや、そんなことはないんじゃないですか。
        おたくさんが、初めから、すいませんでしたと、最初、私が1枚ビラ
        を現認して、次、はろうとしてるときに、止めまして、そのときに、
        すいませんでしたということになって、協力してたんであれば、また
        違った対応ができたんとちゃいますか。
   じゃあ、やっぱり、そのときに反抗したのがまずかったというか、これはち
   ょっと懲らしめなきゃいけないというふうに思ったわけですか。
        そうじゃないですわ。
   じゃあ、逮捕のときのことを聞きたいんですが、僕の名前と住所に関しては、
   持っていた免許証から分かったわけですよね。
        そうですね。
   それを手渡したと先ほど証言なさいましたが、その免許証は、その後どうし
   ましたか。
        その後、私の同僚が預かってるはずですわ。
   それは、どなたですか。
        ●●君ですなあ。
   じゃあ、それは、逮捕されて川端署に連行されて、その後もずうっと警察官
   の●●さんが持っていたということですか。
        そうです。
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   そうすると、現行犯逮捕の場合は、判例とか学説でも、逮捕の必要性、つま
   り、名前、住所が明らかでないとか、逃走のおそれがあるとか、証拠隠滅の
   おそれがあるとかいうのが必要であるとするのが有力でありますけど、それ
   は御存じですか。
        知ってます。
   そうすると、そのうちの2点目、逃走のおそれがあるから逮捕したというこ
   とでよろしいんでしょうか。
        そうですね。主にいえば。
   主にいえばというのは、どういうことですか。
        どちらかといえば。
   ほかにもあるんですか。
        だから、おたくさんは、吉田寮でしょう。
   はい。
        免許証に吉田寮って書いとっても、そこに住んでるかどうか分かりま
        せんわ。
   じゃあ、そのことを捜査の段階で何か調査なさったんですか。
        調査できません。
   吉田寮に電話とかしなかったんですか。
        してないです。
   なぜですか。
        それは協力できないでしょう。今までのあれで。
   今までのあれでというのは、どういうことですか。
        それは、おたくさんがよく御存じじゃないの。
   僕はよく知らないので、ちょっと説明していただきたいんですが。
        それは私も知りません。
   いや、ちょっと僕も分からないので。
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        私の認識では、吉田寮は無理だという認識があります。そういう認識
        があります。
   そういう認識というのは、電話しづらいということですか。
        電話しても、協力的に答えてくれますか。
   そういうことですか。
        うん、そうですなあ。
   それでしたら、別に、大学側にその事実を確認するとかしたらいいと思うん
   ですけど、そういう事実もないわけですよね。
        ないですね。初めから、そういう認識持ってますから。
   そうすると、あなたは、僕がそこに住んでるか疑問であったにもかかわらず、
   それについて何も捜査してないんですか。
        それは、免許証の関係はしてません。だから、言うたでしょう。逃走
        のおそれがあるから逮捕したと言うとるでしょうが、最初から。
   じゃあ、僕を逮捕した理由は、逃走のおそれがあることだけですか。
        そうです。
   でも、僕は、免許証を手渡していたんですよね。
        うん。
   だとしたら、免許証を渡したまま逃走するというのは、なんかすごくおかし
   な感じがするんですけど。
        ありますよ。そういうことは、何べんでも。
   免許証を渡したままですか。
        はい。
   そういう場合は、どうするんですか。
        事後捜査します。
   事後捜査というのは、例えば、今回の場合、僕が仮に逃げたとして、吉田寮
   を捜索するということですか。
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        いろんな方法があるわなあ、それは。いちいちそれ言わなあかんので
        すか、あんたに。
   じゃあ、今問題になっている、逃走のおそれがあったかどうかをこれからお
   聞きしたいんですが、先ほどの証言の中で、ずっと自転車にまたがったまま
   だったとおっしゃっていましたよね。
        はい。
   それは、自転車にまたがって、西側を僕が向いていたということですね。
        そうですね。
   西側を向いていて、そのとき、あなたは、大体僕とどのくらいの距離になっ
   てたんですか。
        私、あなたの横ですなあ。サイドですなあ。左サイド。
   距離でいうと、何センチぐらいですか。
        1メーターぐらいちゃいますか。
   1メーターぐらいというと、手を伸ばせば、すぐ届く距離ということですか。
        そりゃそうでしょうね。届くでしょうね。
   それから、最後は、全部で6人ですよね。
        はい。
   6人の方の立ち位置というか、距離は、どうなっていましたか。
        距離は、あんたの北側と南側でしたでしょう。あんたの前方を挟んで
        ないでしょう。だれもおらんでしょう。
   前方は挟んでないんですか。
        前方には、だれもおらんでしょう。だれもおらんかったでしょう。
   つまり、自転車を僕がこうやってたとして、前方にはだれもいなかったんで
   すか。
        だれもおらんかったでしょう。
   でも、逃走のおそれがあったんですよね。
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        最初、逃走しかけたでしょう、あんた。
   それは、どういうことですか。
        行きかけたでしょう。
   具体的に何をしたんですか。
        忙しいから、今からはりに行かんなあかんのやと。
   いや、はりに行かんななんて言ってないんですけど、それは、具体的にペダ
   ルに足をかけて、足を踏んだんですか。
        そうでしょう。
   それは、右足を踏んだんですか。左足を踏んだんですか。
        利き足でしょう、自分の。それは知りませんよ、そこまでは。最初ど
        っち踏んだか。取りあえず行きかけたから、私、止めたんですよ。
   これは証言の信用性にかかわる問題なので、よく思い出してほしいんですが、
   おっしゃることをそのまま受け止めると、最初に、ライブの準備で忙しいか
   らと言って立ち去りかけて、ちょっと待てと言ったんですよね。
        はい。
   ちょっと待てと言った時点で、ペダルには足をかけてたんですか。
        かけてたでしょう。
   かけてたんですか。
        はい。
   それは、右足だったか左足だったかは分からないんですか。
        右足でしょう。
   右足をかけていたんですか。
        あそこは、歩道があるわけです。歩道があるから、ちょっと車道より
        斜めになっとるわけですわ。だから、右足かけんことには、バランス
        崩して倒れるわけですわ。分かりますか。だから、左足かけようと思
        ったら、あんた、こんな感じにせんとかけられへんわ。
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   じゃあ、右足をかけてるところは現認しましたか。
        見てます。
   そのとき、どういう履物を履いてましたか。
        履物まで見てません。
   これは、証言の信用性にかかわるので、思い出してほしいんですが。
        それは関係ないと思いますけど。何を履いておったかっていうのは関
        係ないと思いますけど。
   先ほど、オレンジのシャツを着て。
        それは分かりますわなあ。
   履物は、けっこう今回の信用性に関して重要なので、履物だけ聞きたいんで
   すが、思い出せませんか。
        思い出せないねえ。
   じゃあ、質問を変えますけど、結局どんどんどんどん応援が増えてきて、
   それで、5人が取り囲んだけど。
        取り囲んでないって言ってるでしょう。
   取り囲んだというか、来たけれども、じゃあ、おっしゃることを総合すると、
   そのときは、もう逃走のおそれはなかったということですか。
        だから、その後は、あんたは自転車にまたがって、ずうっとペダルに
        乗せとったでしょう。そりゃ途中では下ろしたかもしらんけど、私が
        見た限りでは、ペダルを乗せてましたよ。だから、最初に逃げかけた
        から、またペダル乗せとるっちゅうことは、すきを見て逃げるってい
        うことでしょう。そういうふうに考えるでしょう。
   それでしたら、当然、自転車の前を立ちふさぐのが自然だと思うんですけど。
        そうなったら任意捜査じゃないでしょう。説得の段階ですから。
   前に立ちふさがることは、別に、有形力の行使ではないと思うんですけど。
        それは、あきませんよ。任意捜査の…。
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検 察 官
   立っていた位置については、あなたの南側にいて、前にいなかったんだから、
   それでいいんじゃないですか。
被 告 人
   いや、ほかの捜査官の方のことを聞いてるんですけど。
        ほかの警察官も、そうですよ。
   先ほどあなたは、ほかの捜査官の方は、だれも僕の前には立ちふさいでいな
   かったとおっしゃいましたね。
        うん。だから、前にはおらんやったけど、あんたのサイドにおったで
        しょうっちゅう話ししたでしょう、最初に。
   サイドにはいましたけれども、前にはいなかったんですね。
        そうでしょう。
   だけど、僕がもしも逃走するおそれがあるんだったら、だれかしら1人が前
   に立ちふさがるのが自然なんじゃないんですか。
        だから、それは、言うたように、囲むようになったら、いうたら強制
        捜査みたいになるでしょう。おたくさんを説得しとる段階ですから、
        そういう威圧的な態度でできませんわ、警察官は。いかにも犯人をい
        じめてるような感じで。でしょう。まして、5人もおるんやったら。
        十分ですわ、サイドで。
   じゃあ、残りの5人の方も含めて、6人全員僕のサイドにいたということで
   よろしいですか。
        そうです。
   ちょっと時間が戻りますが、最初に職質されたときに、僕は、すいませんと、
   最初に、すぐはがしますと言ったと思うんですが、覚えていらっしゃいます
   か。
        すぐはがすじゃなくて、ライブが終わってからでしょう。ライブが終
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        わってからはがしますっていうことやったでしょう。
   いや、そうではなくて。
        いえ、そういうふうに聞いてますよ。
   そういうふうに解釈されたんですか。
        うん。そういうふうに聞いてますけど。
   そのときに、ライブが終わってからじゃ駄目だと、一度はったものは駄目だ
   とおっしゃったんですよね。
        そんなことは言うてないよ、私は。
   じゃあ、最初の話をもう一回聞きますが、何をしてるんですか、屋外広告物
   条例違反ですよと聞いたんですよね。
        そうです。
   それで、そのときに、すいません、はがしますと、ライブが終わったらはが
   すと言ったんですか。
        はい、おたくさんが。
   いや、僕は言ってないですけど。
        いや、あんたから聞いたんやで、私は。
   いや、僕は、すぐはがしますと言ったんですけれども。
        ライブが終わったらはがしますって聞いたんですよ。
   そういうふうにお聞きになったんですね。
        はい。
   じゃあ、僕は、ライブが終わったらはがしますと答えたんですよね。
        そうです。
   それについては、どうお答えになったんですか。
        だから、違反ですよって言うたんや。屋外広告物条例の違反ですよっ
        ちゅうてる。
   それで、被告人は、屋外広告物条例は知らないと言ってたんですよね。
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        言ってました。
   つまり、納得できないというふうに言ってたんですよね。
        そういうことですね。
   そのとき、条例はこういうもので、これこれこういう罰則があるということ
   は説明なさらなかったんですか。
        そこまではしてないと思います。
   屋外広告物条例について、罰金まではそのとき御存じでしたか。
        私は、そこまでは知りません。
   知りませんでしたか。
        はい。
   屋外広告物条例を全部読んだことはありますか。
        読んだ覚えはあります。そういう屋外広告物条例っちゅう法律がある
        っちゅうことは知ってますよ。
   具体的な屋外広告物条例の中身で、例えば、ここが禁止区域であるとか、こ
   こは第1種、第2種とか、この物件にははってはいけないとか、いろいろ細
   かい規定がありますね。そういうことは御存じでしたか。
        公共物、工作物でしょう。
   軽犯罪法だったらそうなってますけれども、屋外広告物条例では、これこれ
   こういうのにははってはいけない、これは罰則30万、これは20万とか、
   細かい規定がありますよね。
        うん。
   例えば、電柱以外にどんな場所にはってはいけないかとか書いてあるのは読
   んだことがありますか。
        そこまで私が言う必要あるんですか。
   取りあえず、電柱にはってはいけないということだけ知ってたんですね。
        電柱とか、街路樹とか、工作物とかね。
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   工作物ですか。
        うん。ガードレールみたいなところですなあ。これで十分とちゃいま
        すか。
   じゃあ、十分だというふうに判断なさってるわけですね。
        うん。それだけ知ってれば十分違いますか。
                                    (以上 ● ● ● ●)
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   逮捕のときに手錠を掛けましたか。
        手錠掛けてないんちがいますか。掛けてますか。私は知りませんけど。
   いや、僕が聞いているんですが、覚えてないということですか。
        私は掛けてないよ。5人もおるんやから、別に手錠なしでも十分いけ
        ますわ。
   ああ、そうなんですか。
        はい。それが関係あるんですか、手錠掛ける、掛けないが。
   まあ、逃走のおそれとかに関して。
        それは5人、6人おったら十分でしょう、おたくさん捕まえるのは。
   パトカーの中に入っても、手錠は別に掛けてないと。
        私は知りませんよ、パトカー乗ってないから。
   先ほどの証言のことをちょっと聞きたいんですが、これもやり取りの最中の
   ことなんですけども、なんで川端署に行かんとならんのかと何度も言ったわ
   けですよね。
        (うなずく)
   それは東一条の交番になら行くのに、なんで川端署に行かなきゃいけないの
   かというふうには解釈されなかったわけですか。
        おたくさんは、いざ行きましょうかと言ったら、東一条の交番も拒否
        しましたよね。
   それは何と言って拒否したんですか。
        なんで行かなあかんの、というような感じで。
   それは川端署じゃなくて、東一条に関しても、なんで行かなきゃいけないの
   かというふうに言ったんですか。
        そうでしょう。
   東一条交番がすぐ西側にありますよね。
        はい。
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   それで、狭いし、京大関係の人から見えるだろうと、そういうふうに説明し
   たんですよね。
        そうですよね。
   そのときに、被告人、つまり僕はそれ以上何も言わなかったと。
        それは私との会話の中ですな。さっき、その前の会話は、●●さんと
        かとの会話ですよ。
   狭いし、前だから、京大関係の人から見えると言って、東一条の交番なら行
   くということは、もうその後一切言わなくなったということですね。
        言うてないですよね、おたくさんは。
   それはなんでですか。
        知ってはるやろう。狭いし、前に人が通るから。
   だって、別に僕は背中向けてるわけですから、別に奥の部屋だってあるわけ
   ですから。
        奥の部屋ないよ。
   いや、それは入ったことないから分からないけど。
        だから、ないから言うたんや。
   そんなこと説明したとして、京大関係の人から見えるし、駄目だと言ったと
   きに、すぐ僕は納得したんですか。黙ったということは、納得したんですか。
        おたくさん、何も応対なかったやん、その話ししたら。それでもいい
        んかと言うたら、ウンともスンとも言わなかったでしょう。そこで、
        東一条に行きますよと言うたら、行っとるわな。行っとるでしょう。
        延々1時間も説得の必要ないやん。
   いや、それは屋外広告物条例について。
        もちろん聞くのは、屋外広告物条例しかないやん。
   そうですね。
        でしょう。
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   それについてあなたに、それはどういうものかということを質問したんだけ
   れども、罰則とかも何も答えられないし、そういうのだと納得できない、そ
   んな条例、僕も知らないし、理解できないと、それだから行く必要ないと言
   ったんですよね。
        そんなこと言うたの。
   いや、僕が。
        いや、知らんわ、それ。あんたがそれ言うたかどうか、知らんわ。聞
        いてない。
   先ほどのあなたの証言で、僕が屋外広告物条例について知らなかったという
   ことを繰り返し繰り返し言ってたのは確かですよね。
        そうですね、確かに言うてましたな。ちょっと聞くけどね、その罰則
        うんぬんいうのは、後で、こういう事件で捕まってから勉強したの。
   もちろん後からです。
        そうやね。そのときは知らんわけやからな。そのときは知らんと言う
        とったんやからな。
   じゃあ、すぐにその後で、忙しいので今からはりに行かなければいけないと
   おっしゃったんですが、その後はりに行く何か具体的な動作をしようとして
   行ったわけですか。
        行きかけたでしょう。
   どっちの方向に行きかけたんですか。
        西のほうでしょう。
   西のほうですか。
        うん。
   それはうちとは反対の方向ですよね。
        うちってどこ。
   うちって、吉田寮とは反対の方向に向かっていったということですか。
33
        そうですね。あんたは東のほうから来たでしょう。東のほうから歩道
        を自転車で。
   その後聞いたときに、京大内や西部講堂付近に30枚はったというふうに僕
   が言ったと証言しましたよね。
        そうですね。
   それはあなたが直接聞いたんですか。
        私しかおりませんわな、最初やから。私が最初の職務質問者ですから。
   その30枚は、なんで今回の公訴事実に入ってないんですか。
        それはさっきも言ったように、おたくさんが協力しないからできひん
        でしょう。
   いや、でも、協力したとしても、次の日、実況見分行きますよね。
        それは分からへんでしょう。はったのおたくさんやからね、おたくさ
        んを一緒に連れていって、こことこことここはりましたと言わん限り
        は、だれがはったか分からんでしょう。おたくさんの協力がないと。
        だから、そのはった30枚というのは分からんわけですわ。
   でも、30枚も大量にはってあったら、それはすぐ近くとかにもはってある
   んじゃないですか。
        でしょうね。
   それは御覧になりましたか。
        だから、おたくさんがどこにはったか分からんから、言わんから、調
        べようがないですわ、それは。
   いや、もうすぐそばにはったということになりますよね、30枚だったら。
        そうなるやろうけど、おたくさんが協力してくれんから分からへんや
        ん。
   それは一切調査していないということですね。
        うん、あんた以外の人がはったかもしらんよ、それ。
34
裁 判 官
   要は現認していないと、こういうことですね。
        そうです。
被 告 人
   質問を変えますが、自転車に乗ってて、降りろと言わなかったんですか。
        普通やったら降りるでしょう。普通やったら降りますよ、大体。普通
        の人やったら。ずうっとまたがってませんわ。
   そうですか。
        そうでしょう。
   つまり、降りろと言わなかったけれども、とにかくまたがったままだという
   のは、これはもう逃走のおそれがあるということですか。
        ペダルに乗せておったら十分とちゃいますか。
   1時間近くというか、正確には47分間ですけども、説得していたけども、
   任意に応じる感触がなかったので現行犯逮捕やむなしと、そういうふうに判
   断したんですね。
        ……。
検 察 官
   あなたが東一条の交差点西入るの電柱に被告人がビラをはりつけたのを確認
   したとき、周りにはほかにだれか人がいましたか。
        近くにコンビニがありますので、人の出入りはあります。
   人の出入りはあるけれども、はりつけていたのは被告人一人だけ。
        一人だけです。
   それ以外には、人は電柱のところにはいなかったんですね。
        はい。
   被告人がこの電柱にはりつけたのは、東一条交差点を西に入ったところです
   が、東一条の交差点というのは、このようなライブのビラであるとか、立て
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   看板であるとか、そのようなものが林立している場所ですか。
        まあ、多くはないけど、ありますね、ビラとかそういうのは。
   一部ビラなんかがある。
        はい。
   だけど、林立してはられているというような状況はなかったと。
        以前はようけ見ましたけど、最近はそんな景観壊すような感じのあれ
        はないですね。
   今回、被告人がはりつけた電柱については、これは写真撮影したのは、あな
   たじゃなしに。
        これは鑑識の人です。●●さんが。
   ●●警部補が写真撮影したものですね。
        はい。
   これは被告人を現行犯人逮捕した後ですね。
        はい、後です。
   先ほど、被告人を現行犯逮捕したというのは、主な理由は逃走のおそれが
   あったからとおっしゃいましたよね。
        はい。
   それ以外に二次的にあったのは。
        住所のことですね。
   もう一点は、罪証を隠滅するおそれもあったということですね。
        はい。
裁 判 官
   今さっき逃走のそぶりがあったと、こういうふうにおっしゃいましたよね。
        はい。
   どんなそぶりがありましたか。そぶりの内容というか、あなたが逃走するな
   と思った根拠というか。
36
        最初止めたときに、急ぐから、今からはりに行かないかん、というこ
        とで、自転車をちょっと進めたんですわ、それで止めたんです。
   ちょっと進めた。
        はい。それが最初にありますので、その後に応援呼んだわけですけど、
        それから説得中もずうっとペダルに乗せてましたので、そういうこと
        なんですけど。
   そういう状況から、逃走するおそれというのか、そぶりがあったと、こうい
   うふうにあなたは感じたわけね。
        はい。
   これも確認ですけれども、免許証を渡されたでしょう。
        はい。
   そのときに生年月日は何年やと記憶されていましたか。
        47年。(※ 被告人の生年月日は46年。)
   それははっきり覚えていますか。
        一応年齢は習慣で覚えるようにしてますので、その何月何日まではあ
        れですけど、何年生まれというのは大体頭には記憶するようにはして
        います。
   それは別として、ともかくその免許証にはられている写真と、今そこにいる
   被告人、これはもちろん現認をされている。
        はい。
   まず間違いないと、こう思われたわけですね。
        そうです。
検 察 官
   吉田寮の関係で話があったんですが、あなたとしては、吉田寮というのは京
   都大学の学生が住んでる寮だという認識があったわけなんですね。
        はい、そうです。
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   被告人は職業は京都大学の職員だということを言ったので、じゃあ、吉田寮
   から出て、ほかの場所に住んでいるんだろうという判断をしていたというこ
   とですね。
        はい。
   それから、運転免許証、被告人から交付を受けてますが、その運転免許証は、
   先ほど●●さんが持ってたとかおっしゃったよね。
        はい。
   ●●さんはその運転免許証で何かしていたんですか。
        いわゆる照会をやっておりました。いわゆる指名手配の照会とかその
        延長で、指名手配が出てる人もおりますので、そういうふうな照会の
        ために渡したんです。
   そういう手配が出ていないかどうか、それから運転免許証が正当な運転免許
   証であるかどうかを確認していたというわけですね。
        はい。
   先ほど、一つ被告人から質問があったんだけれども、運転免許証を警察官に
   手渡したままでその場から逃走した人というのは、あなたがこれまでずうっ
   と警察官の生活をしてこられて、ありましたですか。
        あります。
   あなたに運転免許証を手渡しておいても、その場から逃走した人はいるんで
   すね。
        います。
                                 (以上  ● ● ● ●)
                       平成16年10月19日
                          京都簡易裁判所
                             裁判所速記官  ● ● ● ●
                             裁判所速記官  ● ● ● ●
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